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「ファクタリングは違法」「やばい」は本当?気になる噂と法律について専門家が回答

資金繰りについて頭を悩ませていらっしゃる経営者様、はじめまして。
中小企業の資金調達を専門にサポートしております、河合圭介と申します。

メガバンクに10年在籍し、融資担当として数多くの経営者様とお会いしてきましたが、銀行の窓口で追加融資を断られ、先の見えない不安に顔を曇らせる方を何度も見てきました。
「なんとか事業を前に進めたい」という熱い想いがあるのに、資金という一点で選択肢が閉ざされてしまう。
この現状を、私はずっともどかしく感じていました。

そんな中、最近よく耳にするのが「ファクタリングは違法だから危ない」「手数料が高くてやばい」といったネガティブな噂です。
この噂が、本当に困っている経営者様から、有効な選択肢を奪ってしまっているとしたら、これほど悲しいことはありません。

この記事では、元銀行員であり、現在は企業の資金調達を支援する立場から、ファクタリングの真実について徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、「ファクタリングがなぜ合法なのか」「本当に“やばい”サービスとは何なのか」そして「安全なファクタリング会社をどう見分ければいいのか」が、明確に、そして具体的にご理解いただけることでしょう。

あなたの会社を守り、事業を加速させるための「正しい知識」を、ここでお伝えします。

結論:ファクタリングは「合法的」な資金調達手法です

まず結論から申し上げます。
ファクタリングは、法律で認められた完全に「合法的」な資金調達手法です。

「銀行出身なのに、なぜファクタリングを?」と疑問に思われるかもしれません。
理由はシンプルです。
銀行融資とファクタリングは、全く性質の異なる資金調達であり、それぞれに重要な役割があるからです。

銀行融資が「会社の信用力」を担保にお金を借りる行為だとすれば、ファクタリングは「未来に入金される予定の売掛金(売掛債権)」という資産を、期日より前に売却して現金化する行為です。
これは、企業が持つ正当な権利の行使に他なりません。

ただし、一点だけ重要な注意喚起をさせてください。
「すべてのファクタリング会社が安全である」とは、残念ながら言えないのが実情です。
合法的な仕組みを悪用し、経営者を陥れようとする悪質な業者が存在するのも事実。
この記事の後半では、その見分け方についてもプロの視点で詳しく解説します。

ファクタリングの合法性を裏付ける「法律」の話

「合法的だと言われても、何となく不安だ」というお気持ち、よく分かります。
ここでは、少しだけ専門的な話になりますが、なぜファクタ-リングが国に認められているのか、その法的根拠を分かりやすくご説明します。
これを知るだけで、漠然とした不安が大きく解消されるはずです。

根拠1:民法で定められた「債権譲渡」という権利

実は、ファクタリングの根幹にある考え方は、非常にシンプルです。
それは「自分の持ち物は、法律の範囲内で自由に売っていい」という大原則に基づいています。

あなたの会社が商品やサービスを提供し、取引先から「後で代金を支払います」という約束を得た。
この「後で代金をもらえる権利」を売掛債権と呼びますが、これも会社が持つ大切な「財産」の一つです。

そして、民法という法律の第466条で、「債権は譲り渡すことができる」と明確に定められています。
つまり、あなたの会社が持つ売掛債権を、ファクタリング会社に売却(譲渡)することは、法律で認められた正当な行為なのです。

少し前までは、取引先との契約書に「この債権は他人に譲渡してはいけない」という特約(譲渡禁止特約)があると、ファクタリングが難しいケースもありました。
しかし、2020年4月に民法が改正され、たとえこの特約があったとしても、債権の譲渡は原則として有効である、と変更されたのです。
これは、国が中小企業の資金繰りを円滑にするため、債権の活用を後押ししている証拠とも言えます。

根拠2:国が作った「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」

少し長い名前の法律ですが、これもファクタリングの安全性を支える重要な法律です。
簡単に言うと、「企業が債権譲渡(ファクタリング)をよりスムーズに行えるように、国が特別なルールを作りました」という内容です。

この法律のおかげで、債権を譲渡したことを法的に証明する「登記制度」などが整備され、より安全にファクタリング取引が行える環境が整っています。

このように、ファクタリングは決してグレーな取引ではなく、国の法律にしっかりと裏付けられた、クリーンな資金調達手法なのです。

なぜ「違法」「やばい」というネガティブな噂が広まったのか?3つの背景

ではなぜ、これほど合法性が明確であるにもかかわらず、「違法」「やばい」といった不穏な噂が後を絶たないのでしょうか。
その背景には、大きく分けて3つの誤解とリスクが存在します。
噂の正体を一つひとつ明らかにしていきましょう。

背景1:「給与ファクタリング」という全く別の違法サービスとの混同

これが、おそらく最も大きな誤解の原因です。
数年前、「給与ファクタリング」というサービスが社会問題になりました。
これは、企業ではなく個人を対象に、将来受け取る「給料」を買い取るという触れ込みのサービスでした。

しかし、金融庁はこれを「実質的な貸付であり、貸金業登録を受けていない業者が行えばヤミ金融(闇金)に他ならない」と断定し、厳しく取り締まりました。
「ファクタリング」という同じ言葉が使われていたため、事業者向けの正規なファクタリングまで、違法なサービスであるかのようなイメージが広がってしまったのです。

経営者の皆様に覚えておいていただきたいのは、事業者向けの「ファクタリング」と、個人向けの「給与ファクタリング」は全くの別物である、という事実です。

背景2:闇金業者による「偽装ファクタリング」の存在

残念ながら、ファクタリングの仕組みを悪用する悪質な業者がいることも事実です。
彼らは、ファクタリング業者を装って経営者に近づき、実態としては法外な高金利での貸付を行います。
これが「やばい」というイメージの元凶です。

彼らの手口で最も多いのが、契約書の内容を「債権譲渡契約」ではなく「金銭消費貸借契約(借金の契約)」にすり替えるものです。
言葉巧みに契約を急かし、経営者が内容をよく確認しないままサインしてしまうケースが後を絶ちません。
このような業者と契約してしまうと、それはもうファクタリングではなく、単なる高利な借金となってしまいます。

背景3:手数料の高さが「やばい」というイメージに直結

銀行融資の金利が年利1%〜3%程度であるのに対し、ファクタリングの手数料は、取引形態によっては10%を超えることもあります。
この数字だけを見て、「こんなに高いなんて、やっぱりやばいんじゃないか?」と感じてしまう方が多いのも無理はありません。

しかし、これは「違法性」の問題ではなく「サービスの価値」の問題です。

ファクタリングが提供する価値とは、「時間」です。
通常であれば数ヶ月先でなければ手に入らない現金を、最短即日で手にできる。
このスピードによって、目前の支払いを乗り切れたり、大きなビジネスチャンスを掴めたりするのです。

手数料は、この「時間を買う」ためのコストと考えることができます。
もちろん、不当に高い手数料を請求する業者は論外ですが、手数料が高いこと自体が、直ちに違法性や危険性に結びつくわけではないのです。

【重要】これだけは知っておきたい!安全なファクタリング会社を見極める5つのチェックポイント

「理屈は分かった。でも、実際に安全な会社をどうやって見分ければいいんだ?」
ここからは、私がコンサルタントとして業者を選定する際に、必ず確認する実践的なチェックポイントを5つ、ご紹介します。
これさえ押さえておけば、悪質な業者に騙されるリスクを劇的に減らすことができます。

チェックポイント1:契約形態は「債権譲渡契約」になっているか?

これが最も重要です。
契約書に必ず目を通し、契約の名称や内容が「債権譲渡契約」または「売買契約」となっていることを確認してください。
もし、契約書の中に「貸付」「利息」「返済」「担保」といった言葉が出てきたら、それはファクタリングを装った貸付(偽装ファクタリング)の可能性が非常に高いです。
迷わず契約を中止しましょう。

チェックポイント2:手数料は相場の範囲内か?

手数料は、ファクタリングの種類によって相場が異なります。
以下の数値を一つの目安としてください。

ファクタリングの種類手数料の相場(目安)特徴
3社間ファクタリング1% 〜 9%あなた、取引先、ファクタリング会社の3社で契約。取引先の協力が必要だが、手数料は安い。
2社間ファクタリング8% 〜 18%あなたとファクタリング会社の2社だけで契約。取引先に知られず、スピーディーに資金化できるが、手数料は割高。

この相場から著しく逸脱した、高すぎる、あるいは安すぎる手数料を提示された場合は、何か裏がある可能性を疑いましょう。
特に「手数料0.5%!」のような極端に低い数字で誘い、後から別の名目で多額の費用を請求する手口もあります。

チェックポイント3:会社の基本情報が公開されているか?

信頼できる企業であれば、自社の情報を隠すことはありません。
公式サイトなどで、以下の情報を必ず確認しましょう。

  • 法人登記されているか(会社名、代表者名)
  • 本社の住所は実在するか(Googleマップで確認してみるのも有効です)
  • 連絡先は固定電話か(携帯電話の番号だけしか載せていない業者は要注意です)

これらの情報が曖昧な業者は、トラブルがあった際に連絡がつかなくなるリスクがあります。

チェックポイント4:見積書や契約書の内容を丁寧に説明してくれるか?

優良な会社ほど、契約内容についてあなたが納得するまで、丁寧に説明してくれます。
逆に、少しでも疑問をぶつけた際に、
「細かいことはいいから」
「みんなこの内容でやっています」
「今日中に契約しないと、この条件は出せません」
などと、説明を怠ったり、契約を急かしたりする業者は危険信号です。

チェックポイント5:償還請求権の有無は明確か?

少し専門用語ですが、これはあなたを守るために非常に重要な言葉です。

償還請求権(しょうかんせいきゅうけん)とは?
ファクタリングで売却した売掛金の取引先が、万が一倒産して支払い不能になった場合、ファクタリング会社が、あなた(利用者)にその代金を請求できる権利のこと。

日本の正規なファクタリングは、この償還請求権がない「ノンリコース」契約が基本です。
つまり、売却した売掛金が回収できなくなっても、あなたに責任は及ばないということです。

もし、契約書に「償還請求権あり(ウィズリコース)」と書かれている場合、それは売掛金の未回収リスクをあなたが負うことになり、実質的には売掛金を担保にした借金と変わりません。
「ノンリコース」であることを必ず確認してください。

それでも不安な方へ|ファクタリングのメリット・デメリットを再整理

ここまで読んでいただき、ファクタリングが決して「やばい」ものではないこと、しかし注意すべき点もあることをご理解いただけたかと思います。
最後に、あなたの会社にとって本当にこの選択肢が有効なのかを冷静に判断できるよう、メリットとデメリットを改めて整理しておきましょう。

ファクタリングのメリット

  • 最短即日の圧倒的な資金調達スピード
    銀行融資では審査だけで数週間かかることも珍しくありませんが、ファクタリングなら即日〜数日で現金化が可能です。
  • 赤字決算や税金滞納でも利用できる柔軟な審査
    審査で重視されるのは、あなたの会社の信用力よりも「売掛先の支払い能力」です。そのため、自社の経営状況が厳しい場合でも利用できる可能性があります。
  • 売掛先の倒産リスクを回避できる(ノンリコースの場合)
    売掛金を売却した時点で、その債権の未回収リスクはファクタリング会社に移転します。これは一種の保険的な役割も果たします。
  • 信用情報に影響しない
    ファクタリングは借入ではないため、信用情報機関に記録が残ることはありません。今後の銀行融資に影響を与えない点も大きなメリットです。

ファクタリングのデメリット

  • 銀行融資と比べて手数料が割高
    「時間を買う」ためのコストとして、銀行の融資金利よりも高い手数料が発生します。
  • 売掛金の範囲内でしか資金調達できない
    当然ながら、保有している売掛債権の額面以上の資金を調達することはできません。
  • 悪質な業者を見極める必要がある
    本記事で解説した通り、ファクタリングを装った悪質な業者が存在するため、利用者側にも知識と注意が必要です。

まとめ

今回は、「ファクタリングは違法でやばい」という噂の真相について、専門家の立場から徹底的に解説しました。

最後に、本日の最も重要なポイントを振り返ります。

  • ファクタリングは民法で認められた「合法的」な資金調達手法である。
  • 「違法」「やばい」という噂は、「給与ファクタリング」との混同や、ファクタリングを装った「偽装ファクタリング(闇金)」が原因である。
  • 悪質な業者に騙されないためには、「契約形態」や「手数料の相場」、「償還請求権の有無」など、5つのチェックポイントを必ず確認することが重要。

資金繰りの悩みは、経営者にとって本当に孤独な戦いです。
銀行の扉が閉ざされたように感じた時、心が折れそうになるお気持ちは痛いほど分かります。

しかし、資金調達の方法は、決して一つではありません。
正しい知識を持つことは、あなたの会社を守り、次の一歩を踏み出すための強力な「武器」となります。
ファクタリングは、その武器の一つとして、いざという時にあなたの会社を救う可能性を秘めています。

もし今、一人で悩みを抱え、どうすれば良いか分からない状況であれば、どうか専門家を頼るという選択肢も忘れないでください。
私たちは、あなたの会社の状況を丁寧にお伺いし、融資、ファクタリング、補助金など、あらゆる選択肢の中から最適な解決策を一緒に見つけ出す「参謀」です。

この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、未来への一歩を踏み出すきっかけとなれば、これに勝る喜びはありません。
すべての挑戦する経営者様を、心から応援しています。