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2社間と3社間ファクタリングの違いとは?手数料やスピードを比較し、自社に合う選び方を伝授

「今月の支払いを乗り切れるだろうか…」
「銀行に融資を断られ、もう打つ手がない…」

はじめまして。
中小企業の資金調達を専門にサポートしております、コンサルタントの河合 圭介と申します。

私は以前、メガバンクで10年間、中小企業向けの融資審査を担当していました。
そこでは、素晴らしい技術やサービスを持ちながらも、資金繰りという壁に阻まれ、本来の力を発揮できずにいる経営者の方々を数多く目の当たりにしてきました。

銀行の扉が閉ざされたからといって、事業の未来まで閉ざす必要は全くありません。
実は、銀行融資以外にも、迅速かつ柔軟に資金を調達する方法が存在します。
その中でも特に、今すぐ資金が必要な経営者の方にとって力強い味方となるのが「ファクタリング」です。

この記事では、ファクタリングの基本から、よく比較される「2社間」と「3社間」の違い、そしてあなたの会社に本当に合うのはどちらなのか、元銀行員という独自の視点を交えながら、誰よりも分かりやすく解説していきます。

この記事を読み終える頃には、あなたは自社に最適なファクタリングを見極め、資金繰りの悩みから解放され、事業成長への次の一歩を踏み出すための具体的な知識を手にしているはずです。

そもそもファクタリングとは?銀行融資との決定的な違い

ファクタリングについて、何となく「資金調達の方法」というイメージをお持ちかもしれません。
しかし、その本質を理解することが、最適な選択への第一歩となります。

ファクタリングの基本を1分で理解する

ファクタリングとは、一言でいえば「入金待ちの請求書(売掛債権)を専門の会社に買い取ってもらい、早期に現金化するサービス」です。

例えば、あなたの会社が取引先A社に商品を100万円で販売し、請求書を送ったとします。
入金日が翌月末だとすると、それまでの約1ヶ月間、あなたの手元にその100万円はありません。
この「入金待ちの状態」の請求書をファクタリング会社が手数料を差し引いて買い取り、あなたにすぐ現金を支払ってくれる。
これがファクタリングの基本的な仕組みです。

「融資」ではなく「債権売買」であることの意味

ここで最も重要なポイントは、ファクタリングは銀行からお金を借りる「融資」とは全く異なるということです。
これは「債権の売買契約」であり、借金ではありません。

この違いが、経営者にとって大きなメリットを生み出します。

  • 負債が増えない:貸借対照表(B/S)上、負債として計上されないため、財務状況を圧迫しません。今後の銀行融資への影響も心配無用です。
  • 信用情報に記録が残らない:融資ではないため、信用情報機関に利用履歴が登録されることはありません。

銀行員時代、私は決算書の「負債の部」を見て頭を抱える経営者をたくさん見てきました。
ファクタリングは、その悩みを根本的に解決できる可能性を秘めています。

赤字や税金滞納があっても利用できる理由

「うちは赤字だから、どうせ無理だろう…」
そう思われるかもしれません。
しかし、ファクタリングの審査で最も重視されるのは、あなたの会社の経営状況ではありません。

審査の主役は「売掛先(請求書の発行先)の支払い能力」です。

ファクタリング会社からすれば、最終的にお金を支払うのは売掛先なので、売掛先の信用力が高ければ問題ないと判断されるのです。
そのため、赤字決算、債務超過、税金の滞納といった、銀行融資では審査通過が絶望的となるような状況でも、利用できる可能性が十分にあるのです。

【スピード重視】2社間ファクタリングの仕組みと特徴

さて、ここからは具体的なファクタリングの種類について見ていきましょう。
まずは、利用者とファクタリング会社の2社間だけで契約が完結する「2社間ファクタリング」です。

2社間ファクタリングの流れを徹底解説

2社間ファクタリングは、その名の通り、売掛先を介さずに手続きが進みます。

  1. 申込み:あなたがファクタリング会社に、売却したい請求書(売掛債権)の情報を伝えます。
  2. 審査・契約:ファクタリング会社が売掛先の信用力などを審査し、手数料などの条件を提示します。合意すれば契約を結びます。
  3. 入金:契約後、ファクタリング会社からあなたの口座へ、手数料を差し引いた代金が振り込まれます。
  4. 回収・送金:後日、売掛先からあなたに請求書通りの代金が入金されます。
  5. 送金:あなたはその入金されたお金を、そのままファクタリング会社に支払って、取引は完了です。

メリット:とにかく速い、そして売掛先に知られない

2社間ファクタリング最大のメリットは、何といってもそのスピード感にあります。
申し込みから入金まで最短即日という業者も多く、急な資金ニーズに迅速に対応できます。

そしてもう一つ、経営者にとって非常に重要なメリットが、売掛先にファクタリングの利用を知られずに済むことです。
「資金繰りに困っているのでは?」といった余計な心配をかけずに済むため、今後の取引関係に影響を与える心配がありません。

デメリット:手数料は高め、債権譲渡登記が必要なケースも

スピーディーで便利な一方、デメリットも存在します。
最も大きな点は、後述する3社間ファクタリングに比べて手数料が高くなる傾向にあることです。
相場としては、売掛債権額の8%~20%前後が一般的です。

これは、ファクタリング会社にとってリスクが高い取引となるためです。
売掛先が関与しないため、あなたからファクタリング会社へのお金の流れが本当に実行されるかどうかのリスクを負う必要があるのです。

また、そのリスクを軽減するために「債権譲却登記」を求められるケースがあります。
これは、その売掛債権が正式に譲渡されたことを法的に示す手続きですが、手間と費用が別途かかる点を覚えておく必要があります。

【コスト重視】3社間ファクタリングの仕組みと特徴

次にご紹介するのが、あなた、ファクタリング会社、そして売掛先の3社が関与する「3社間ファクタリング」です。

3社間ファクタリングの流れをステップごとに解説

3社間ファクタリングでは、売掛先の協力が必要不可欠となります。

  1. 申込み:2社間と同様に、あなたがファクタリング会社に申し込みます。
  2. 売掛先へ通知・承諾:ファクタリング会社から売掛先へ、債権を譲渡する旨を通知し、承諾を得ます。
  3. 契約・入金:売掛先の承諾を得た後、3社間で契約を結び、ファクタリング会社からあなたの口座へ入金されます。
  4. 売掛先から直接支払い:支払期日が来たら、売掛先はあなたの会社ではなく、ファクタリング会社へ直接代金を支払います。これで取引は完了です。

メリット:手数料が安い、ファクタリング会社の審査に通りやすい

3社間ファクタリングの最大の魅力は、手数料の安さです。
相場は売掛債権額の1%~9%前後と、2社間ファクタリングに比べて大幅にコストを抑えることができます。

なぜなら、売掛先が債権譲渡を承諾し、ファクタリング会社へ直接支払いを行うため、ファクタリング会社にとって「代金を回収できない」というリスクが格段に低くなるからです。
このリスクの低さは、審査の通りやすさにも繋がり、2社間では審査が難しい案件でも、3社間なら利用できるケースがあります。

デメリット:売掛先の承諾が必須、資金化までに時間がかかる

最大のデメリットは、売掛先の承諾が必須である点です。
ファクタリングの利用を伝えることで、「経営状況が良くないのでは?」と懸念される可能性はゼロではありません。
日頃から良好な関係を築けている、信頼できる取引先でないと、実行は難しいかもしれません。

また、売掛先の承諾を得るプロセスが必要なため、どうしても時間がかかります。
申し込みから入金まで数日から2週間程度かかるのが一般的で、即日資金が必要といった緊急性の高い場合には不向きです。

【一目で分かる】2社間・3社間ファクタリングの徹底比較

ここまで解説した内容を、一覧表にまとめてみましょう。
どちらを選ぶべきか、それぞれの特徴がクリアになるはずです。

比較ポイント【スピード重視】 2社間ファクタリング【コスト重視】 3社間ファクタリング
手数料高い (8% ~ 20%前後)安い (1% ~ 9%前後)
スピード速い (最短即日)遅い (数日~2週間)
売掛先への通知不要必要
審査難易度やや厳しい傾向通りやすい傾向
手間比較的少ない売掛先の承諾など手間がかかる

なぜ手数料やスピードにこれほどの差が生まれるのか?

この差は、ひとえにファクタリング会社が負う「リスクの大きさ」に起因します。

2社間の場合、売掛先はファクタリングの存在を知りません。
そのため、期日通りにあなたに入金された後、あなたがそのお金をファクタリング会社に支払わずに使い込んでしまう、といったリスクが残ります。
このリスクが高い分、手数料も高く設定されているのです。

一方、3社間では売掛先が「支払先はファクタリング会社」と認識しているため、お金の流れが直接的で透明です。
ファクタリング会社は確実に代金を回収できるため、リスクが低く、その分手数料も安くできるというわけです。

元銀行員が伝授!あなたの会社に合うファクタリングの選び方

理論は分かったけれど、結局うちはどちらを選べば良いのか?
そんな声が聞こえてきそうです。
ここでは、私が実際にコンサルティングでご相談いただくことの多いケースを元に、具体的な選び方をご紹介します。

ケーススタディ1:とにかく急いで資金が必要な建設業A社の選択

A社は、急な追加工事が発生し、2日後までに材料費の支払いが迫っていました。
銀行に相談する時間もなく、売掛先にファクタリング利用を知られるのも避けたい状況です。

A社の選択 → 2社間ファクタリング
このケースでは、手数料の高さよりも資金化までのスピードが最優先されます。
売掛先に知られずに、最短即日で資金を調達できる2社間ファクタリングが唯一の選択肢と言えるでしょう。

ケーススタディ2:売掛先との関係を維持したいIT企業B社の選択

B社は、主要な取引先への売掛金をファクタリングしたいと考えています。
しかし、その取引先とは長期的な付き合いがあり、今後の関係性を悪化させることは絶対に避けたいと考えています。

B社の選択 → 2社間ファクタリング
この場合も、取引先との関係維持が最優先事項です。
ファクタリング利用の事実を伝えることで生じるかもしれない、わずかな疑念や不安の芽を摘むためにも、2社間ファクタリングを選ぶべきです。

ケーススタディ3:手数料を少しでも抑えたい卸売業C社の選択

C社は、来月の仕入れ資金としてまとまった額が必要ですが、支払いまでにはまだ3週間ほどの余裕があります。
売掛先とは長年の付き合いで、何でも相談できる良好な関係を築いています。

C社の選択 → 3社間ファクタリング
資金化までに時間的な余裕があり、かつ売掛先の理解を得られる見込みが高いこのケースでは、迷わず手数料の安い3社間ファクタリングを選ぶべきです。
事前に「資金繰りの効率化のために、新しい金融サービスを試してみるんです」といった形で丁寧に説明すれば、スムーズに承諾を得られる可能性が高いでしょう。

最終判断のためのチェックリスト

  • [ ] 資金が必要なのは「今すぐ」か?(Yesなら2社間)
  • [ ] 売掛先に利用を知られても問題ないか?(Noなら2社間)
  • [ ] 手数料は1%でも安く抑えたいか?(Yesなら3社間を検討)
  • [ ] 売掛先との信頼関係は十分に築けているか?(Yesなら3社間を検討)

ファクタリング利用で失敗しないための3つの注意点

ファクタリングは非常に便利なサービスですが、利用する際にはいくつか注意すべき点があります。
元銀行員として、多くの金融契約を見てきたからこそお伝えしたい、重要なポイントです。

注意点1:契約内容は隅々まで確認する(特に償還請求権の有無)

契約書にサインする前に、必ず確認してほしいのが「償還請求権(しょうかんせいきゅうけん)」の有無です。

これは、もし売掛先が倒産して支払い不能になった場合に、ファクタリング会社があなたに対して「代わりに支払ってください」と請求できる権利のことです。
日本の正規のファクタリングは、この償還請求権がない「ノンリコース」契約が基本です。
ノンリコース契約であれば、売掛先が倒産してもあなたは一切の責任を負う必要がなく、貸し倒れのリスクもファクタリング会社に移転できます。

もし「償還請求権あり(ウィズリコース)」の契約を提示された場合は、それは実質的に売掛債権を担保にした融資と同じです。
貸金業登録のない業者がこれを行うことは違法ですので、絶対に契約してはいけません。

注意点2:「安すぎる手数料」を謳う悪徳業者を見抜くポイント

残念ながら、ファクタリング業界には経営者の弱みにつけ込む悪質な業者も存在します。
以下のような特徴を持つ業者には、くれぐれもご注意ください。

  • 相場からかけ離れた安い手数料を提示してくる。
  • 契約書の内容が曖昧、またはそもそも交付しようとしない。
  • 保証人や担保を要求してくる。
  • 契約をやたらと急がせる。

悪徳業者を避ける最も有効な方法は、複数のファクタリング会社から相見積もりを取ることです。
サービス内容や手数料、担当者の対応を比較検討することで、信頼できるパートナーを見極めることができます。

注意点3:本当にファクタリングが最善の選択か?(他の選択肢との比較)

ファクタリングは素晴らしい選択肢ですが、万能ではありません。
あなたの会社の状況によっては、他の資金調達方法が最適な場合もあります。

例えば、時間に余裕があるなら日本政策金融公庫などの公的融資や制度融資の方が、金利を大幅に抑えられる可能性があります。
ファクタリングを利用する前に、一度立ち止まって「本当にこれが今の自社にとってベストな選択なのか?」を冷静に考えてみる視点も大切です。

まとめ:賢い選択で、資金繰りの悩みを未来への力に変えましょう

今回は、2社間と3社間ファクタリングの違いを中心に、その仕組みから選び方、注意点までを詳しく解説しました。

最後に、本日の重要なポイントを振り返りましょう。

  • ファクタリングは「融資」ではなく「債権売買」。負債にならず、信用情報にも影響しない。
  • スピード重視なら「2社間ファクタリング」。売掛先に知られず、迅速に資金化できるが、手数料は高め。
  • コスト重視なら「3社間ファクタリング」。手数料は安いが、売掛先の承諾が必須で、時間がかかる。
  • 自社の「緊急度」と「売掛先との関係性」を天秤にかけ、最適な方法を選択することが重要。
  • 契約時は「償還請求権なし(ノンリコース)」であることを必ず確認し、悪徳業者には十分注意する。

資金繰りの悩みは、経営者にとって本当に重く、孤独な戦いです。
しかし、正しい知識を身につければ、それは乗り越えられない壁ではありません。

ファクタリングという選択肢を正しく理解し、賢く活用することで、目先の資金繰りを解決するだけでなく、あなたの会社の成長スピードを加速させる力強い武器にもなり得ます。
今日のこの記事が、あなたのその第一歩を後押しできたなら、これほど嬉しいことはありません。

もし、「自社の場合はどうだろう?」「どのファクタリング会社を選べばいいか分からない」といった具体的なお悩みがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
あなたの会社の未来を、一緒に切り拓いていきましょう。